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第8章 過去と現在


「…あ、兄貴」



部屋から出てきたのは、僕より長身でルックスのいい、弟の蒼生(あおい)だった。



「お兄さん?こんばんわぁ~」



蒼生に続いて、頭の悪そうな茶髪の女が顔を出す。



「へぇ~やっぱり兄弟だからか、顔似てるね~イケメンじゃん」

「そうかぁ?似てねーよ」



ふん、と蒼生は鼻で笑う。



「あはっ、蒼生に飽きたらお兄さん狙っちゃおうかなぁ」

「やめとけ、兄貴はお前みたいな馬鹿女、嫌いだから」

「え~、あたし馬鹿女?蒼生ひど~いっ」



女は頬を膨らます。
その姿は馬鹿女にしか見えない。



僕は呆れながら、部屋の中に入ろうとした。






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