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第8章 過去と現在



無意識に作業をして、甘い匂いで我に返った。



「あ…」



テーブルに並べていたのは、キツネ色に焼けたホットケーキだった。
ユキが毎朝食べていたホットケーキ。



『おれね、拓哉が作ったホットケーキ大好きっ!』



ユキの笑った顔が見たくて、毎朝ホットケーキを作っていた。



「参ったな…」



もう作ることはないと思っていたのに、
無意識に作っていたなんて…
しかもけっこう大量に。



(卓也、食べるだろうか…)





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