359°
第9章 funky&crazy
『うるせっ!…急になんなん??』
電話口で叫び声をもろに受け、順平は苛立ったように言った。
「…わり…なんでも…ない…」
卓也は顔を真っ赤にしながら、速くなる鼓動を沈めるため胸を押さえる。
『…わけわかんねー。つか、マジお前の声うるせーわ。やっぱボーカル向きだな』
(ボーカル…そうだ、今日からスタジオで練習するんだっけ…)
自分を落ち着かせるため、懸命に意識を変える。
『てことでさ、マックで待ってっから来いよ?』
「え、ちょっ…」
卓也の返事も聞かず、通話は切れた。