放課後は保健室で2
第2章 一歩進んで三歩下がる
見かねた私が黒板を代わろうと立ち上がったが、結がそれを制し瑠璃の所へ駆け寄って、黒板を引き受けた。
黒板の前で結は小さく笑って「チビは無理すんな」と口パクで私に伝えてきたから私は口を突き出しそっぽを向いて拗ねてみた。
が。
「ふぇっ…」
思いがけずそっぽを向いた先にあの蒔田くんがいて、バッチリ目が合ってしまった。
うわ、恥ずかし…
さっと顔を伏せてからちらりともう一度彼を見てみると肩を震わして笑っていたから相当変な顔をしていたのだろう。
顔が火照るのを気にしながら私はノートを開いて黒板に出ている意見を猛スピードで書き写しだした。