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キレーな顔した狼さん。

第2章 1匹目

「先輩…やっぱここにいた」

はぁ…やっぱり。
遠くからみても解る程綺麗な顔の
そいつは嬉しそうな顔をしながらこちらに歩いて来る


「…何だよ」

やっぱ、俺おかしいな…こいつがここに来た事が少し…ほんの少し、嬉しい…なんて…

「先輩に会いに来たに決まってんでしょ?」

いや、だから決まって無いって

てか、やっぱ言葉が乱暴じゃないか?

「あ、あんさ、違ったら別にいんだけどさ…」

「ん、なに?」

瑠樹は俺の隣に腰を下ろしながら
聞き返した

「あのさ、さっきも思ったけど、俺に対して?かは知らないけど、何か態度…というか言葉…というか…」

「うん?」
少し笑いながら相槌をうつ瑠樹

「…乱暴じゃね?」
俺が何となくしどろもどろに話すと
瑠樹は優しい笑顔など微塵も見せず悪戯(イタズラ)な笑顔を浮かべながら話はじめた

「アハハ…わかる?俺さー、面倒くさいんだよねー。興味ないやつの相手すんの」

「お、おう?」

「だからさー、冷たい態度とって影でこそこそ言われたり、反感とか買うの面倒くさいじゃん?」

「…へぇ…」

「それなら、イイコちゃん面してた方が楽なんだよね」

「…」

「それにさ、こっちは何とも思ってないのに少し笑顔を見せただけで頬ば赤くさせちゃってさー、それが面白いっつーのかな?」

「お前…性格悪いな…」

つい、ポロっとでてしまった俺の言葉に瑠樹は相変わらずの黒い笑顔をこちらに向け、腰を浮かしたかと思うと
一気に俺を押したおした

「いやだなー先輩。性格悪いだなんて…」

「は?ちょっおま…」

「クス…暴れ無いの」

そういうと瑠樹は俺の耳に息を吹きかけて来た

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