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キレーな顔した狼さん。

第14章 11匹目

「私……」

「うん…」

ゆっくりと…でも躊躇いなんて微塵も無い表情の瑠花は、1つ1つ、しっかりと言葉を発する

それに俺は…まだ小さかった不安が
徐々に大きくなるのを感じた

…嫌な予感しかしない

「私…今日、汐里さんがお兄ちゃんと一緒に居るの見て……解った事があります…」

「……」

徐々に、徐々に…形になっていく…

やだ……もう…聞きたくない…

「本人に言うのも…アレだとは思うのですが……」

何故か顔を赤らめて、少し視線を下に向けてから……また俺の方へ向ける

その仕草は…間違いなく"女の子"で…
不覚ながら、少し見惚れてしまうぐらい自然でキレイだった

「もう、お兄ちゃんだから…とか、
そういうの関係無く…
……好きだから。遠慮とかせずに…
堂々と勝負してみせる!って…」

…ほら…。
俺の不安が確信に変わる

ただでさえ相手が瑠樹ってだけで
敵は多いのに…

こんな可愛い妹まで……

まさか…戦線布告されるとは…

瑠樹のモテさが、どうしても恨めしい

「…だから…」

瑠花は、まだ話を続ける

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