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キレーな顔した狼さん。

第15章 12匹目

「…先輩?」

「えっ……な、なんだ?」

1人考え込んでいると、瑠樹は
不思議そうに俺の顔を覗き込む。

いきなり視界に飛び込んでくる瑠樹の整ったキレイな顔に1人の世界から一気にこちらへつれ戻された。

「んー……いや…別に…」

「……?」

瑠樹の曖昧な返答に、俺は何か腑に落ちず、首を傾げた。

俺の事を"先輩"と呼ぶ瑠樹。

回りには、同じ制服に身を包んだ生徒達が、それぞれ自分のペースで学校に向かって歩いている。

何処と無く暖かい風が、
二人の間をやさしく通りすぎた。

すっかり黙ってしまった瑠樹を
ソーッと盗み見る。

柔らかそうな瑠樹の髪が、日に照らされて栗色の光を放っている。

──ヒューーー

少し大きな風が、瑠樹の髪を
ゆらゆらとなびかせた。

………

きっと、誰もが見惚れるだろう。

頭の頂点からつま先まで…
完璧にキレイなコイツに。

きっと、一目で惹き付けられる。

「……ん?」

─ドキっ
「い、いや…」

俺の視線に気が付いたのか、
瑠樹の目が俺の顔を見据える。

見てたの……気付かれたかな?

そう思うと妙に恥ずかしくて…
バッと瑠樹から顔を反らして地面の方へ目を向けた。

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