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キレーな顔した狼さん。

第2章 1匹目

ザワザワザワ…

ん?何だ?
やけに今日は校門前が騒がしーな

何かあったのか?

学校の近くまで来て校門が目に入ると何やら女子達?がわらわらと群がっている

何となく校門に近づけないでいると
校門に群がってる女生徒の1人が俺に気付き声を上げた

「きゃーっ、汐里くんだっー!おはよーーっ!」

その声を合図に一斉に
女子たちが声を上げ俺に群がってきた

「いやーんっ、今日もかっこいー!」「汐里くーん、おはよーっ」

あーもー…うっせーなー
毎日毎日、同じ事して飽きねーのかね
こいつらは。

適当に無視しながら校門に近づくと
さっきは見えなかった群がりの中心が見えた

どうやら人のようだ

そいつは俺に気づくとこちらに向かって歩いて来た

…ハッ…ハハッ…嘘だろ?なんであいつが?

「先輩、おはようございます」

そいつは寝不足の俺には眩し過ぎる笑顔をむけて歩いて来る

ついでに?周りにも「おはよう」といちいち愛想を振り撒きながら挨拶している

そのたび、挨拶された奴は男女関係無く頬を赤らめている


あーあ、あれはワザとか?
あんな笑顔で言われたら、誰だってそーなるよな…

可哀想に。あれで、今、まさにこの瞬間。アイツに恋とやらをする奴がどれだけいるんだろうか?

…残念だな。アイツは俺が好きなんだよ!バーカ!

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