美人妻は性欲旺盛っ!
第8章 アルバイト
「俺にとっての沙緒里は
弟の面倒をよく見てくれて
笑いかけてくれた姉
それだけだった
なんか何もかも嫌
みたいなコトを言ってたが」
じゃあ俺のコトも嫌かよ!
悪かったな弟が俺なんかで!
もっといい家庭に
もっといい自分に
生まれたかったか?
そこには俺いないけどな!
…あぁ間違いない
サオリさんは
そこで目が覚めたのだ
ゆきくんは
今思うと信じらんないなぁ
俺沙緒里だけは女なのに
平気でぶっ叩いててたよ
と呟く
グーはひどいよと私は思いつつ
サオリさんはきっと
弟がゆきくんでよかったって
思ったんだろうなぁと思う
「本当に何事もなくだぞ?
はた迷惑なコトに
いつの間にか沙緒里は
グレる以前に戻ってて
性格が変になってた
肩の力は抜けてたが…
挫折したせいで
おかしくなったんだよあいつ
今までそうでもなかったくせに
変に俺に構うようになったんだ」
「おかしくなってないよ
感謝してるんだよゆきくんに
弟が、ゆきくんでよかったって」
「おかしいだろ?
急に芸能界入るとか言い出して
見られる練習とか言って
俺の部屋で下着になるんだぞ?」
「それはおかしいよ!?」
「夜三十分以上は
あいつと話すの強制だぞ?
付き合わされるほうになってみろ
宇宙人相手に拷問だぞ」
「口実だよ
理由がほしかったんだよ」
「聞くだけならまだしも
根掘り葉掘り聞かれるし
何度うざいと思ったことか…」
ゆきくんの相談
「そっか…
サオリさんは
ゆきくんが本当に大事だから
あんなに私に怒ったんだね
耳が痛かったな…」
サオリさんからすれば
私が許せなかったんだろう
かわいい弟を
傷つけるだけの存在なんて
「あはは…でも
嫌われたままって、つらいなぁ…」
「本当に嫌ってたら
今日あそこにいなかったし
わざわざ話しかけないよ
結婚する時も祝福してくれた
わかりにくいけどそれが全てだ」
「ゆきくん…
うん…私
サオリさん好きだよ?
ゆきくんを大事に
してるのわかるから好き
性格は掴めないけど…」