美人妻は性欲旺盛っ!
第8章 アルバイト
その日の午後
急なSOS(救援要請)が入った
『神様仏様右京様!
お願い助けて!』
???
電話は美春さんからだ
「ど、どうしたんですか?」
『やべーのマジ歩けない
私ひとりじゃどうにもできない』
どんな緊急事態!?
後ろでりあちゃんが
びーびー泣き叫んでいる
「すぐ行きます!」
私は美春さんちにきた
二章以来の登場で
お忘れの方も多いかもしれないが
彼女は一児のママで
赤子はりあちゃんと言う
「こ、これは………っ!?」
何十枚も割れた食器の破片が
凄まじく散乱していた
割れた食器が散らばり
とてもじゃないが歩く隙間がない
「うぅ…ぐすぐす
りあを抱いたままさ
バランス崩しちゃってさ
よろめいて食器棚に当たったら
すっげー落ちてきちゃって…」
うわあ…
なんたる惨状だろう
かつて学校で窓ガラスが
硬球に割られたのを目撃したが
それの数倍ひどかった
「りあ泣きやまないし
片付けもしなきゃなのに
うっせーし動けないし
もームリ限界!
なんとかして右京!」
「は、はいなんとかします!」
とりあえずスリッパを履いた
「私なにしましょうかっ
片付けましょうか!?」
「ううん片付けはあたしがやるよ
右京にはりあ見ててほしいの
私じゃもーダメ」
りあちゃんは
ぎゃあぎゃあ泣いてる
きっと食器が割れる音に
心底驚いたんだろう
美春さんが悪いわけではなく
ただ怯えてしまってるだけなのだ
あやしてもあやしても
機嫌が直らないので
美春さんは後始末より
そっちのほうに参ってるようだった