美人妻は性欲旺盛っ!
第9章 アルバイト 2
間一髪
璃乃さんが
私を後ろから支えてくれた
「疲れてる?
ちょっと休憩入れようか?」
私は何も言えなかった
「は、はい…すみません」
私はしゅんとうなだれる
ふと視線を向けると
ゆきくんが
立ち上がってるのが見えた
こっちを、私を
見ていた
いくらなんでも距離が離れてる
今のピンチに駆けつけるのは
無理な話だった
なのになんで
ゆきくんは
立っているのか
なんで冷静さのない顔なのか
私は真っ赤に紅潮して
慌てて奥の休憩室に引っ込む
自分のロッカーを開け
ガチャガチャと鏡を取り出す
(女って結婚したら
落ち着くんじゃなかったの…?)
鏡をしまう
赤面してる子がいた
(大人の女性になるの…!
悠々と事に構えられて
旦那を支えられる妻になるの!
恋愛じゃないんだって!
ゆきくんはもう
私を選んでくれたの!)
ガンガンとロッカーを叩く
(苦しい…
なんでこんな
コントロールできないかな…)
ゆきくんは私を
愛してるって
選んでくれたのだ
私との恋仲は
法的に確立されたのだ
だから今
最も優先すべきなのは
妻としての器量だ
ゆきくんを好きな
恋する女の子ではない
ゆきくんにふさわしい妻
恥ずかしくない妻
私をお嫁さんに選んでくれた
愛してるゆきくんに
応えなければならない
若妻で成熟してなくて
そんなのは言い訳だ