美人妻は性欲旺盛っ!
第10章 元カレ
「これがあの頃
しょうくんに伝えたかった
私の気持ちの全部」
いくら打ち明けようが
もう終わってしまった事だ
お互いそれは
痛いほどわかっていた
だから特に言葉はない
私は指輪を見つめた
今更何も戻らないし
後悔なら今語り尽くした
初恋、初カレ、元カレ
私が望月翔吾という男子に抱いた
初めての色鮮やかな感情
本当に好きだったのだ
だったというのはどこか切ない
「………じゃあ帰るね」
帰ろうと思った
これ以上ここにとどまっても
仕方がない、そう思った
「自分勝手な物言いごめんね
それじゃ…」
「なに傷ついた顔してんの」
「へ?」
え、私?
「バカじゃん
自分で言って自分が傷ついてちゃ
世話なくない?
俺はなんとも思ってねーのに」
そっか…
あーそっかそっか
私の中では
しょうくんを傷つけたコトに
なってるからだ
私…自分を責めてるんだ
「片倉と別れてから
何年経ってると思ってんの?
とっくに吹っ切れてるに
決まってるじゃん
今俺カノジョいるし
もう俺の中で終わってるの
だから?ってカンジ」
「あ…
そうだよね」
「今更変な空気出しすぎ(笑)
それはそれ
お互い気にしないでさ?
もう忘れて?
仲良くやろーよ、な?」
「う、うん」
「で、話はおしまい?」
私はしょうくんが
口をきいてくれるコトに
驚いていた
目元を少し細める
しょうくんがどう思ったのか
私にはわからないけど
普通に話してくれるコトが
私的には嬉しかった
私が元カレ吹っ切ったように
とっくにしょうくんも
前を向いてたんだなぁ…
「あ、そだ。なぁ片倉」
「うん、なに?」
「俺、海外行ってたからさ
高校のやつとか
連絡先全くわかんねえの
このままじゃ
同窓会とか困るなって思って
誰からも連絡こない」