美人妻は性欲旺盛っ!
第16章 男心、女心
「…嬉しいよ。でもだめ」
「片倉…」
片倉右京は旧姓だ
私は今、浅葉右京なのだ
けど告白されて、ドキドキと胸を踊らせながら、嬉しいって喜んでる自分がいるのも真実だった
ゆきくんが好き
だからといってしょうくんが好きという気持ちがどこかに消えてくれるわけではなかった
消化不良だった懐かしい初恋
ドキドキ…
少しの混乱と少しの甘い疼き
一人の女として求められてる
人妻なのに女として見られてる
そんな節操のない喜びと嬉しさに惑わされて頬が上気してしまう
モラルよりズルさが勝った
「私、人妻だよ?
彼女と別れて私と付き合ったって
私は何もしてあげられない」
「ッ…そんなの…」
「私からしてみれば
しょうくんなんて二番だよ?
だったら私も…
しょうくんの二番であるべきだよ」
一瞬、世界が止まった
彼を中心に
「片…倉…」
「なんで驚くの?当たり前だよ
私にとって旦那が一番大事
だから私との関係を望むなら
彼女とは別れちゃだめ」