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『え、何かあったんですか？』

「聞いてくれる？
うちの奥さん…右京がさぁ…
浮気してるんだよ」

『えっ!?』



　心底驚いた声だった



「右京のこと信じてただけに
俺…すげーショックでさ」

『右京さんが…？な、何かの間違いじゃないんですか？』

「本人から聞いた
問い詰めたから間違いないよ」



　電話越しから
　心配した
　幼くてかわいらしい声が
　どんどん聞こえてくる

　この声が
　えっちな声を出すのかと

　そう考えただけでドキドキする



「もう俺…つらくて
今日は飲まずにはいられないよ」

『げ、元気出してください！
私、一度しか会ってませんけど
右京さんのゆきひとさんに対する愛情は本物だと思います！
だからもう一度ちゃんと話し合って誤解といてみてください！』



　私にも聞こえる
　電話越しの優美ちゃんの声
　すごく励ましてくれてる

　なんていい子だろう

　この子にならもう一度ゆきくんを貸してもいいなって思う



「うん…ありがとう
そうしてみるよ
ごめんね、大人なのに俺
愚痴聞いてもらっちゃって」



　お酒入ってるからか
　ゆきくんの演技力がすごい

　事実でもあるから
　全然嘘っぽく聞こえない



『か、構いませんよ
でも…』

「どうかした？」

『あ、いえ…
なんで私なのかなって…
少し気になって…
あ！別に嫌とかじゃないんですよ？』



　かわいい
　すごくかわいい

　私も同じ気持ちだった



「エッチ…」

『え？』

「優美ちゃんとのエッチが
俺、忘れられなくて
すっごくかわいかったから
今でもよく思い出してる
だからかも、真っ先に優美ちゃんの顔が思い浮かんだよ」

『っ………///』



　嬉しいだろうな

　こんな風に言われてなんとも思わない女の子はいないだろう

　自分なんかにって思う

　ゆきくんみたいなイケメンの
　すごくストレートな好意

　想われて
　嬉しくならないはずがない