美人妻は性欲旺盛っ!
第20章 回想
先輩は年上だし
ずっと利口だった
原因は私なのだし
たとえば先輩が負けて負傷したら放ってはおけない
人間としてそれは違う
彼氏が胸を痛めるとわかっててもつけるべきケジメがあるし、先輩の手当ては私が責を負うべきだ
だからといって
人の彼氏をそこまで…
私の口は悲鳴をあげた
彼氏が負傷すれば
私は悩まなくて済むし、誰の胸も痛まないと思ったのだろう
先輩は殴られながらも殴り返して圧倒すると、続くもう一発で彼氏をのして地面に転がした
感情に任せた彼氏と違い
先輩は考えて動いたのだろう
これがベストなのだと
それでも私の、今にも泣いて怒り出しそうな様子を見て、邪魔者らしく静かにこの場を去った
先輩には
私が、先輩を、責めずにはいられないとわかっていたはずだ
この結末になれば
私は必ず先輩を恨む
考えて動けるなら、なぜ自分の利を優先しなかったのだろう
負けて、私に手当てされれば、嫌われる事もなかったのに
どうしてわざわざ悪者になろうとするのか
手を出す必要はなかった
だって
悪かったのは、先に殴った…