美人妻は性欲旺盛っ!
第20章 回想
いや、と否定する
彼氏がいる女にしつこくちょっかい出す先輩が悪いのだ
彼氏にやっかまれ、私に嫌われ、先輩が離れていこうが私には関係ない
ほっとけばいい
どうでもいいのだ
同情なんかしなくていい
彼氏は外傷なんかより、ずっと打ちのめされているようだった
カッコ悪ぃ
片倉の前で俺
カッコ悪ぃ…
彼女に気を遣わせて
負けた事に対して
勝ち負けじゃないのに
彼氏はしきりに自分を責め、恥で死ねばいいと弱さを恥じた
そんな事ないよ
私のために怒ってくれて
嬉しかった
私は彼氏に寄り添って
保健室で手当てしたあとも
ずっとずっと励ました
私のために落ち込む彼が
すごく愛おしかった
想われてるのがわかるから
胸があったかかった
そうとも
先輩なんか女好きで、私以外にもいい人がたくさんいるけど、彼氏には私しかいないのだ
彼氏は私だけを想ってくれる
私はその想いに応えたい
よそ見しないで
私は彼氏だけを見ればいい
今よりずっと彼氏を大事にして
先輩に見せつける
そうすれば
先輩が入る隙間はない
いつか諦めてくれる
この時の私は本気でそう思っていた
私は、子供で、子供で
なにも、なにひとつ
わかっちゃいなかったのだ