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美人妻は性欲旺盛っ!

第20章 回想







 最後の攻撃だった





 これを決めた所で勝てるわけじゃないのはわかっていた





 先輩は一人で





 勝ったと緊張を解いた相手チームの4人をドリブルで抜き去り





 ただひとり、ゴール前に戻ってディフェンスする嬉しそうな顔の女子と1対1になった





 泣いても笑っても

 これがラストプレイ





 私は決めて、と願った





 先輩は構わず、跳んだ

 この終盤、女の子はもっと高く跳んで先輩のダンクを防ぎにいった









 ガァァン!!








 先輩はブロックにきた女子を吹き飛ばしてダンクを決めた






 ファールはなし

 カウント





 時間は残り数秒で、ゲームスタートして間もなく、タイムアップした









 この試合、散々負け続けた先輩が初めてあの黒髪の子に勝った

 自分の事じゃないのに私は自分の事のように嬉しかった





 女子は本当に怪物で空中から叩き落とされたのにぴんぴんしていた

 戦うのが楽しかったという様子で屈託なく笑い、先輩と握手している









 試合は負け

 先輩は準優勝








 先輩は

 有言不実行








 先輩が疲労困憊で顔を下げたまま私の横を通り過ぎた



 私の顔を見てくれない





「最後、聞こえた

さんきゅ」





 私が振り返っても

 先輩は振り返らなかった





 なぜか私は咄嗟に追いかけて先輩のシャツを後ろから掴んだ





「なんだよ?」
「あ、いや…なんでも…」

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