美人妻は性欲旺盛っ!
第20章 回想
それから数日後だった
告白された場所、屋上に呼び出されて私がしょうくんにフられたのは
彼はこう言った
勝ち目がない、と
無理に笑った顔を見て、私は引き止められなかった
ただ胸が痛くて、それが自分の痛みなのか彼の痛みなのか、涙は出るけど声は出なかった
高校一年の私は、誰でも当たり前に持っているような彼氏の気持ちに気づいてあげられなかった
劣等感だ
彼氏は先輩に、自分がどうしようもなく劣っていると思ってしまい、私から身を引くという結論を出した
私を………諦めた
私が好きだから諦めた
しょうくんが選んだのは、決して自分が幸せになれない、見守る愛
フられてから数日、私はようやくその事に気がついて、そこまで想ってくれるしょうくんがもう遅いのにすごく大切だって思えた
私はアクションした
今ならまだ
寄りを戻せるかもしれない
寄りを戻したい
初めて告白されて
初めて彼氏と付き合って
いっぱい楽しくて
いろんな事があって
それがもう二度とない事が、たまらなく嫌だと思った
悲しくて悲しくて
やっぱりすごく好きだった
初めて本気で好きになった人がしょうくんで本当によかったと思った
たくさんの感情をもらった
この人を好きになって
心の底からよかったと思った
だからこそ
終わりにしたくなかった