美人妻は性欲旺盛っ!
第20章 回想
先輩は親友に諭され、反論の余地をなくしたようだった
「なぁ、あいつ
まだ学校にいると思うか」
「さあ捜したら?
自分の足で、自分の意思で
やる前からわかるわけないよ」
先輩は立ち上がり
出入り口のドアを開けた
「………」
「………」
「おい…そこの
うずくまってるやつ
お前、なにしてんだよ?」
私は顔を伏せたまま
「盗み聞き」
「そうもハッキリ言われるとな
あーー…………なあ」
「なんですか?」
「せめて目を合わせて言いたいんだが」
「嫌、顔も見たくない」
「わかったよ」
変な間があった
ドキドキしていた
変な緊張があって
顔が上げられなかった
「お前が好きだ
フリーなら俺と付き合ってくれ
マジなんだ」
私は、顔を、上げた
今の気持ちを知られたくなくて怒ったような態度で叫んでごまかす
「嫌です!
お断りです、今はそういうの
考えるだけでも嫌です!」
私は先輩の前だといつもかわいくなかったように思う
がさつでかわいげがなくて
でも、最後まで認めたくなかったけど先輩に惹かれていた
私があんなに泣いたのは、先輩にひどい事をしてしまったのと、先輩とも前みたいな関係には戻れなくなった悲しさの分もあったのだ
私には
何もなくなったと思った
でも先輩は
私を必要としてくれる
ポロッと涙がこぼれた
「でも…!
友達くらいならいいです!
また勉強教えてくれるなら
友達としてなら
また図書室に通いたいです!
それでもいいですか!?」
…