美人妻は性欲旺盛っ!
第21章 背水
「あなたってイイ女なのねぇ
あ、イイ女ってのは
男の前で自分を捨てられる女よ
スケベでいやらしい女が
男にとっては最高にイイ女よ
そういう子は不思議と
性格がよくて美人でカワイイわ」
沙緒里さんは冷静だ
弟の妻のこんな一部始終を見ても動じてなかった
その冷静さが苦しい
殴ったっていいはずだ
最低なのは私なのだから
「………怒らないんですか?」
「怒る?なんで?
いいじゃない別に
そこにポンと快楽を出されたら
飛びついちゃっていいのよ
男はよくって
女はよくない理由なんかない
我慢する理由もない
悪い事なんかないわよ」
何も言い返せなかった
快楽に飛びついたのは嘘じゃない
エッチを楽しんだのは事実、だから私に反論の余地はなかった
「ただまあ
あなたはいいわよ
女になるのって気持ちいーし
最高だし、全然良い事だわ
でも旦那がどう思うかは
そりゃ別問題よ
いくらあなたが良くてもね
怒る?
むしろ逆よ
よくやってくれたわ
これであなたはポイよ
こんな節操なしの不貞妻
ゆきだってさすがにいらないでしょ
もう二度と信じられないわよ」
沙緒里さんの一言一言が
私の胸に突き刺さる
「これでゆきは私を構ってくれる
感謝してるくらいよ
ああ、かわいそうなゆき
お姉ちゃんが慰めてあげる
わたしがいっぱいいっぱい
癒やしてあげるわ
バカ女にコケにされちゃって
プライドズタズタよ
愛する女に裏切られて
いい男がめちゃくちゃ傷ついて…
いやだわ、我慢できないかも
うっかりエッチな事しちゃいそう
今まで奥さんに目がなくて
お姉ちゃんに全然
構ってくれなかったけど
嬉しいわ
ゆきが傷ついて
どうしようもなくなって
一番に頼ったの誰だかわかる?
姉のわたしよ
………だからさ
いい加減睨むのやめたら?」
私は…沙緒里さんを睨んでいた