美人妻は性欲旺盛っ!
第22章 浅葉幸人
ゆきは戻ってきた一年遅れの後輩に喫煙所に連れ込まれる
「部署内じゃ目立ちますよ…ここでなら泣いていいですから」
「すまんな石田、迷惑かける」
「ホントもう…場所を選ばず泣けるスキルどうにかしてください」
「さっきまで大丈夫だったんだ」
「大丈夫じゃありませんよ」
「大丈夫だよ」
「それはフリでしょ?」
「フリだよ」
石田は大仰に溜め息をつく
ゆきは石田には全部話していて石田は唯一事情を知る人間だった
「いや、自分がこんなにすらすら泣ける奴だって知らなかったんだ」
「先輩はホント映画のワンシーンみたいに泣くから皆仕事どころじゃなくなっちゃいますよ…特に女の子たちが」
「助かるよ
フォローしてくれて」
石田は以前、大ポカをやらかしている経験がある
以来石田はその時矢面に立ってフォローしてくれたゆきを崇拝し、荒くて熱意が空回りする石田は冷静で正確な仕事ができるゆきを尊敬していた
「…やっぱり納得いかないス」
「言うなよ」
「だって奥さんひどすぎですよ!
いったい先輩の何が不満で、先輩が何をしたっていうんですか!」
喫煙所には二人しかいない
だからといって声を荒げていい理由にはならないが、石田には右京の不誠実な行為が許せなかった
「いいんだよ
俺はあれがかわいくてかわいくて仕方ないんだよ
だから何をしても怒らないよ
好きにしていいと思う
誰とエッチしてきても
恋人が何人いても
あれが満足ならそれでいいんだよ
まだ21だぜ?
そりゃ遊び回りたいだろ」
「先輩だってまだ23じゃないすか!
なのに全然遊んだりなんか…」
「俺はいいんだよ
右京が傍にいてくれたら
なぁんもいらねえもん
たとえば仕事から帰って
一緒に飯食って一緒風呂で遊んで
チンチン愛されたりしたら
もうそれでいいなぁってなるもん
休みの日どこか連れてって
キャッキャッ笑ってたら
それだけで幸せだなぁって思うもん
少しでも構ってやると
嬉しそうにするとこなんか
もうだめなんだよな
惚れた弱みかな、マジで」