美人妻は性欲旺盛っ!
第23章 ひとりの戦い
美春は言葉とは裏腹な柔らかい表情でりあにキスして、視線を鶴川婦人とりあとで交互に行き来させる
「あの子はね
わたしのお気に入りだ
守ってあげたい
今、大変な時だけど
全然目が死んでないんだよ
間違うっていいね
個人の人間全てが試されるから
人となりがちゃあんと見える
いい人間か悪い人間か
正直な人間か嘘つきな人間か
本気なのか全力なのか
信用に値する人間なのか
根底に潜む人間性ってやつ
あの子がどうするのか
あの子はどうしたいのか
わたしはちゃんと見届けたい
だからさ
邪魔するんなら容赦しないよ~?
冷めてる夫婦仲って
叩けば絶対埃出るでしょ?
貞淑な顔したって鶴川さん
ねぇ、女ってアレですもんね
いるんじゃないですか
一人か二人ぐらい?
もっといます?
穴を塞いでくれる関係
ドキドキしますよね
旦那に内緒の秘密の関係ってやつ
やだなぁすっごい興奮しちゃう
わたしでさえこうなんだから
ご本人は病み付きだろうなぁ…
ねぇ鶴川さん
本当にいいんですか?
本当に人の事言える立場ですか?
知り合いに
調べるの得意な人いるんですよね」
美春の
探るような微笑み
Tシャツのくせに
美しく
隠しきれない色気
確信を得ているような顔
勝敗は明らかだった
「ふ、不愉快だわ!
帰ります!」
「あ、鶴川さん!」
「ま、待ってくださいよ!」
馬を蹴飛ばす勢いで鶴川婦人はマンションに入っていく
日課である散歩をしに出てきた美春はそのまま歩き始める
「バーカ
自分がいざそうなったら
真面目に向き合えないくせに
外から見れば
長いか長くないかなんて
すぐにわかるんだよ
ちょっと言いすぎたけど
いい気味だよバーカ
外野が邪魔すんなよ
余計な事しなけりゃ
絶対
雨降って地固まるんだからさ」
キャイキャイキャイ!
グイグイグイ!
美春は髪を引っ張られるが嫌な顔ひとつしなかった
「りあもそう思う?
あー、大丈夫だよ
全部終わったら
右京お姉ちゃんに
いっぱい抱っこしてもらおうねぇ」