美人妻は性欲旺盛っ!
第23章 ひとりの戦い
「本当は先輩…嬉しかったんじゃないですか?」
「いいんだよこれで
石田、わかってないよ
お前はきっと…
右京を甘く見てる」
「えっ?」
「あいつ
明日も多分くるよ」
石田は驚いた
一部始終見ていたが、あれだけこっぴどく傷ついたのに、ゆきはあまりに突飛な事を言う
だって…
いやまさか…
「それが本当だとして……ま、また同じ事繰り返すんですか?」
「他にしようがない」
石田は少し戦慄した
また今日みたいにあの子は号泣してしまうのかと思ったら、誰が悪いのかも忘れて同情していた
「俺はあいつを信じられないままなのに応えてどうする?
顔だって見れないのにか?
むりだそんなの」
「そんな、だって…
せ、せめて話だけでも…」
「聞きたくない
俺に対する言い訳なんて
聞きたくない
謝られたくない
許せるかも怪しい
今聞いた所で…俺には全部信じてやれる自信がない」
ゆきは手を見つめる
触れた所が熱くまだ感触がある
甘くて柔らかい…手
顔…見れないのではない
見たらやばかった
右京の悲しそうな表情や傷ついた表情を見たら、理性より先に抱きしめてしまいそうだった
頭より心が
好きだよって言って
止まらず、止めれず
一刻も早く右京を安心させようと体が動いて
勝手に動いて…
「……っ…
重傷だな、俺は…」
「先輩?」
「離れてみてわかったが
やばいんだよ
目を閉じると抱いてるんだ
アレとセックスしてる
右京をぐちゃぐちゃにしてる
頭の中から離れない
いっぱいだ、右京で
白昼堂々夢精しちまいそうだ」
ゆきはタバコというやつはなんて味気ないものだろうと思った
女の……右京の肌を舐めているほうがずっと甘くて美味い
「家を出て
電話もメールも拒み
直接拒絶してやったんだ
つらいの我慢して
これだけやったんだ
なぁ石田…」
「?」
「それでもまだ
こられたらどうする?
これだけひどくしてやって
右京にもう打つ手はないのに
まだこられたらどうする?
…信じてもいいか
その時はもう一度
信じてやってもいいか?
そんなに俺の事が好きかって
あぁ好きなんだって
女を信じてもいいか…?」