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美人妻は性欲旺盛っ!

第23章 ひとりの戦い







 男たちは何気なく、しかし介抱するように右京を運ぶ

 右京は視線だけ動かした
 少し離れた所にワゴン車があり、そこに運んで連れ去るつもりなのだとわかり全身が粟立った



 逃げようと思った
 でも、身体が動かない



 そうしている間にも車との距離はどんどん縮まり、ワゴン車が開閉されて中にいるさらなる男たちが見えた



 ニヤニヤと笑う複数の若い男
 撮影する機材が溢れた車内

 悪意に寒気が止まらない






 嫌だと思った
 右京は歯を食いしばり、嫌だ嫌だと胸の中で泣き叫んだ

 悔しくて悔しくて
 怖くて
 まだ何も終わってなかった
 つらい日々、涙の日々、やっとの思いで愛する人の信頼を取り戻し、嬉しくて天にも昇る気持ちだった

 これからなのだ
 なのにこんな奴らに…

 ――嫌だ!

 絶対に嫌だと思った右京はものすごい力で抵抗していた



「わ、コイツ暴れて――」










 ――――カラン










 ワゴンまであと数歩
 その時だった

 投げられた空き缶が右京を押さえる男の頭に当たった






「やあ右京ちゃん
こんばんは、奇遇だね」






 投げた人間がいた
 それは右京のよく知る人間で強い瞳が印象的な美しい人だった

 バイト先の知り合い
 なぜ、こんな所にこんなタイミングで現れるのか、それでも右京はそんな疑問など頭になくその女性の名を呼んで助けを求めていた



「……璃乃……さん…っ」
「大丈夫、助ける」



 動きやすい服装に野球帽をかぶった璃乃は微笑む

 余裕の態度で近づいてきた璃乃に男たちは苛立ちを露わにした

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