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美人妻は性欲旺盛っ!

第23章 ひとりの戦い







「ハァ?
知り合いかなんかか?
悪いけど邪魔しないでくれる?」



「右京ちゃんはさ
もっと知るべきだよ
人の悪意はどこにでもある

あなたが自分の過ちを
私に打ち明けてくれた時
嬉しかったよ
嬉しかった

そうできる事じゃない
あなたは自分が悪いと認め、責め
それでも努力し
人一倍、頑張ってきた
どんなにつらくても
人のせいにしなかった

すごいと思った
愛する人のための行動力
冷たくされても諦めず
過ちより裏切りより何より
まっすぐで感動した
私は思ったよ、ああこの子は幸せになる義務があるって」



 男が一人立ち塞がり、璃乃を威嚇して肩を突き飛ばした

 璃乃はよろめく
 けれど帽子の下で笑った

「がぁ…っ」
 転かされた男は固いアスファルトの上に肩を叩きつけて呻いた
 その手並みに男たちに動揺が走る



「だから人を雇って
右京ちゃんを見張らせた

諦めず、一途で、手一杯で
あなたは自分の安全が
全く見えてなかったからね

油断しちゃだめ
悪意はどこにでもあるんだよ
ましてやあなたは
ものすごくかわいいんだから
少しは自覚しないと」






 璃乃は金で人を雇い、右京に張り込ませていた

 右京を守る人間は今
 離れていていない

 万が一、トラブルや犯罪に巻き込まれても対処が間に合うように璃乃は不測の事態に備えていた



 悪いとは思ったが
 守りたかった
 母が子を見守るが如く、そんな下らない不幸などで、みすみす幸せを逃してほしくなかった



 お昼を利用するくらいゆきの会社から璃乃のお店は近い

 走ってすぐ
 偶然などではない
 連絡を受けて駆けつけた
 だから間に合った

 璃乃は右京の人柄に惚れていた
 彼女が好きだった
 幸せになってほしかった
 力になりたかった
 何かしてあげたかった

 彼女の幸せを守る
 璃乃はもう笑いたかった
 不謹慎だが、こういう腐った輩がいてくれたおかげで――

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