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美人妻は性欲旺盛っ!

第27章 番外編2 望月翔吾







 俳優の彼?
 マネージャーと食事?
 関係?なんの?



 翔吾の頭はやけに冷えていた

 菊池はしたり顔で笑う
 大人の余裕で
 沙緒里の肩を抱いた



「本当によく遊ぶ人だ
彼に大人の世界は
まだ早いんじゃないですか?」



 翔吾は顎を上げる



「うるせえよメガネ
遊ばれてていいんだよ
沙緒里にはその資格がある
あんたみたいなエリートには
わかんねーかもしれねぇが
俺にとっちゃ大切な人なんだよ
代わりなんかいない
沙緒里の一分一秒がほしい
優しくされて甘えたい
いつか飽きられるにしたって
今の彼氏は俺だ
馴れ馴れしいんだよ
その手を離せ
つかあんたには沙緒里が苛立ってるのわかんねぇの?」



 沙緒里はパァッと笑った
 口の端を釣り上げる

 同時に腕を上げ、後ろに立つマネージャーの腹を目掛けて思いっきり肘鉄をかました



 ごほッ!?
 エグい一撃に
 菊池は呻いて膝をついた



「かっこいいわぁ…
お姉さん痺れちゃう…」
「いや、こぇーよ
そんな簡単に男倒すなよ
マネージャーなんじゃないの?
いいの?」
「アッハッハ知らなぁい
ヤりたいらしいけど
大事な人ができたって断ったわ
よっぽど自分のチンコに
自信があるのねぇ
人を自分のモノみたいに
イライラしちゃうわホント」



 菊池は腹を押さえて起き上がり
 沙緒里の腕を掴んだ



「相変わらずやんちゃな人だ…
普通の女とはわけが違う
でもいいんですか
私に逆らって…?」



 権力の匂いがした

 翔吾は吐き気がした
 これなら初恋のコを奪っていった奴のほうが百倍マシだった

 なぜなら初恋のコは今、心の底から幸せそうに笑っているからだ



「こい、沙緒里」



 翔吾は手を差し出した

 沙緒里は少し驚いた
 嬉しいというか感動した
 こいつは女性に裏切られて
 嫌悪していたのだ

 いい男が傷を乗り越え
 よりいい男になっていく
 殻を破ろうとしている
 そんな瞬間を今見ている

 いつになく頬が弛む



「こい」



 沙緒里はヒールで菊池を蹴ると
 翔吾の手を取った



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