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　翔吾は…キスした
　それから抱きしめる

　信じたい
　信じてみたかった
　沙緒里の好きは直情的で
　翔吾の心を揺さぶった



「んふ…っ…ちゅ、んぅ…
もっとぉ…」



　熱でしがらみが溶ける

　優しく…あたたかく…
　愛されてる実感は
　こんなにも泣きたくなる

　ずっと苦しかった
　ずっとこんな風に愛されたかった
　誰かを一途に愛したかった
　でも傷つくのが怖かった



「やだなに、泣いてるの？
泣き虫さんねぇ…」



　沙緒里は抱擁する
　大きい子供がいて嫌になる



「傷つくのを怖かったらだめ
わたしはね
女の前で泣ける男が好き
好きになるなら絶対
そういう人
だって信じられるから
大丈夫よ
まだ怖いかしら？
大丈夫、わたしを見なさい
信じて
あなたが好きよ
なんかもう惚れたわ
かわいいわ
甘くてくれるのがかわいい」



　泣くという事は弱みだ
　誰かの胸で泣く、それはとても恥ずかしくて弱さで、完全にプライドを捨てなければできない事を沙緒里は知っている



「わたしを見て
あなたを裏切らない
大丈夫よ
あなたは愛されていい
だれもあなたを責めない
わたしが許してあげる
だから自分を許してあげなさい
バカな事したって
悔やんでるんでしょう？
あなたは悪くない
真面目すぎよ
あの子たちはいい夫婦だわ
何があったって壊れないわよ
バカね…
あぁもうあなたって…
ホントいい男だわ…」