美人妻は性欲旺盛っ!
第27章 番外編2 望月翔吾
ヤケになっていた
自分の価値が軽かった
「好きでもない男に初めてをやり
何日も男の家を渡り歩き
ギブアンドテイク
無価値なセックスに明け暮れ
何も楽しくないのに
遊び、笑って、笑って」
聞いていられない
翔吾は目を伏せて願う
誰か救ってあげてください
ひとりでは泣く事も立ち上がる事もできない子が、世の中にはいる事に早く気づいてほしい
救いの求め方さえ知らない
翔吾とて沙緒里がいなければまだ苦しみの中でもがいていただろう
自分の不幸に囚われて、誰かのせいにせずにはいられない
「沙緒里…」
「落ちるのって簡単よ
なんにも感じなくなれば
息を吸うくらい簡単
ホント、バカねぇ
一回失敗したくらいで
人生終わったみたいな顔して
自暴自棄になって
自分を軽蔑し、嫌いになり
無感動のまま楽しいフリ
ろくでもない男に気に入られて
輪姦されまくり
ちょっと…ちゃんと聞いて?
あなたのために話してるのよ?
ありのままのわたしを知りなさい
あなただけじゃないわ
弱いわよぉ人間は
わたしだってすっごく弱いの
ね、聞いて、大丈夫だから」
沙緒里は強かった
自分の汚点を軽々と
惜しげもなくさらしていく
けれどそれは
翔吾を信頼してるからだ
先に見せてくれた男に
沙緒里は頬を擦り寄せる
「でね?
聞いて、すごいの、わたしはひとりじゃなかったみたい」
1ヶ月近く家に帰らなかった沙緒里の前に弟のゆきが現れた
ゆきはずっと捜していて
ようやく姉を見つけた