美人妻は性欲旺盛っ!
第27章 番外編2 望月翔吾
ゆきは沙緒里をぶっ叩いた
当時中三のゆきは
その頃から身体が大きく
姉に寄生するゴミを
ケンカで徹底的にぶっ潰した
ゆきは相当の怪物で、三人いたが三人とも立てなくさせた
ゆきは沙緒里の胸ぐらを捕まえて凄まじい怒りで怒鳴った
自分がバカだとはわかっていた
しかし沙緒里はどうしても素直になれず突き放すような事を言った
そしたらどうだろう
ゲーセンで思いっきりキスされて沙緒里は放心した
今までにないキス
初めてキスが熱いと思った
ぽけっとしたまま、沙緒里は引きずられて家に連れ戻された
「もう劇的よぉ…
わたしの一番の幸せは
ゆきと姉弟に生まれた事よ
メロメロで幸せすぎて
すっかりいい子になったわ」
両親の説教は無視した
ゆきに叱られた分だけ、沙緒里は心を入れ替えていった
二度と悲しませない
心配させない
失敗とかどうでもよくなった
沙緒里は泣いた
泣いて吹っ切った
医者にならなくても
わたしはわたしだという事
そう叱られて
泣きながらにやけていた
愛されてて恥ずかしい
沙緒里はゆきが大好きになった
少し姉というのが悔やまれた
「翔吾にとって
わたしがそうであるように
わたしにとっては
ゆきがそうなのよ」
「うん…わかるよその気持ち」
翔吾にはよくわかる
つらい時、苦しい時
甘えられる人間がいる
それがどれだけ大切な存在か
「それ以来わたしは
ゆきの幸せしか考えてなかった
モデルで稼いだお金を
ゆきのおこづかいにしたり
あんまり好きなもんだから勢いあまってエッチな事もしちゃったわ」
ゆきの幸せを第一に
そうしてゆきは
愛した女と結婚した
沙緒里の審査はハッキリ言って親より厳しかった
羨ましい、むかつく
けどさすが弟と言うべきか、見る目があると思った
かわいいだけじゃなく
中身に華があった
気後れはしても逃げない
自分が悪くても正当化しない
沙緒里はごくりと息を飲んだ
年下に見とれてしまった
まっすぐで綺麗な目
内に秘めた強い瞳
今回の一件も、あの子の一人勝ちみたいなものだった