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～エピローグ～




「同棲しましょう」
「はぁ!?」
「同棲しましょう」
「ちょ、待っ」
「同棲しましょう」
「人の話を…」



　ノイローゼになりそうだった

　事あるごとに沙緒里から
　同棲を持ちかけられた

　押しが強く、人の話を聞かず
　全く引き下がらない



「あなたのおちんちんから
離れたくないの」



　急すぎて
　頭がどうにかなりそうだった



　そんな中
　翔吾は必死に
　いくら話しても別れ話に納得してくれない未優を根気よく説得した



　次第に、次第に
　未優は聞き入れてくれた



　ところが未優は
　いきなり会わせろと言い出した



「あ、会ってどうするんだよ」
「会う！じゃなきゃ別れない！」



　大変な事になった
　前カノと今カノの…
　女同士の話し合いが始まった



　なぜかのけ者にされた翔吾は
　途方に暮れていた

　喧嘩してたら？
　揉めていたら？
　気が気でなかった

　沙緒里という変人相手に
　未優の身の安全が心配だった



　翔吾は驚いた
　あれだけ渾身の説得をしても
　聞く耳を持たなかった未優が
　別れを聞き入れてくれた



　未優は涙ぐんでいた
　それを沙緒里が抱きしめる



「もっといい男見つけるから
せいぜいがっかりしてよね
今までありがと
ばいばい」



　胸が痛かった
　強がる姿に胸を痛めた

　翔吾にできる事は
　去っていく彼女に精一杯の感謝を伝える事だけだった

　ありがとう
　出会いに感謝した
　未優に出会えた事に感謝した



　右京と別れて以来
　適当に女と付き合って
　適当に別れを繰り返した

　切なくて胸が苦しい
　別れでこんな気持ちになるのは
　本当に久しぶりだった

　それだけ想っていた事
　翔吾は最後にまっすぐそれを伝えて未優とさよならした