美人妻は性欲旺盛っ!
第29章 番外編4 エロ妻 後編
やりきった
右京は夫の目の前で
同僚の男性とエッチを
たまらない充足感に満たされる
やりきれたのは
夫が止めなかったから
なぜ止められなかったかと言えば
尊重されてるから
もっと言えば愛されてるから
信じられているから
誰とエッチしようが
全く揺らがない視線に
右京は今日一番恥ずかしくなった
心の丸裸にされるような
妻を見つめるまっすぐな視線
ただ妻の快楽を優先するような慈愛の目つきに恥じらう
自分の事より妻の事
愛してるよと口で言われるより
ずっと生々しく
愛してるよと言われていた
純愛ってこうだ
自分の幸せを捨てて
相手の幸せを想えてこそ
愛で満たされる
そういうのを何度も見せてくれる人と夫婦になるべきだ
今回はエッチな形になっちゃったけどだからこそだ
性は本能でその人の本質に近い
こんなんだから…
こんな人だから惚れてしまう
「もういいの?」
右京はすくっと立った
やらしい裸のままテーブルを回り込んでゆきの膝に乗る
向かい合わせで座り
顔を近づけて見つめ合う
愛しい人の顔が近いだけで、胸の奥がトクトクと熱くなる
「気持ちよくなれた?」
「ごめんね、ごめんね…
悔しかったよね?
嫌だったよね?」
心が読めるわけではない
右京は自分を逆の立場に置き換えて想像してみた
やはり、すっごく嫌なのだ
右京は自分なりにどれだけひどい事をしたかわかっているつもりだ
「悔しかった?」
「…悔しかったよ」
ゆきの不愉快そうな顔を見て、右京は胸がきゅんとした
でも、ひどい事をしてでも
これが見たかった
やきもちを妬いて大人なのに子供みたいに拗ねた表情
かわいい
嫌がる顔もっと見たい
この人は自分の事でこんなにもムキになってくれる
自然にキスしていた
顔を手で抱いて
情熱的なキスで強く求める
石田は内心ほっとしながら邪魔しないようそっと見守っていた