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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第6章 そして何かは動き出す







「父さん。癌の存在、知ってましたよね?」


確か子供の頃、カルテらしき物を目にした記憶がある。その頃から父さんは仕事しか見えていなくて、結局後回しにしていたのを覚えている。


「会社を一ヶ月後には任せる。2週間は俺の近くで仕事を見て欲しい。だから、あと一週間で帰ってこい」



俺は覚悟を決めた。


家を継ぐ。梓ちゃんと巡り会えた奇跡。
それは思い出になるかもしれないけれど。


俺には、かけがえのない財産だ。

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