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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第10章 一つの終着点



俺が彼女の背中を押したのは、やっぱり間違いだったのか。俺はあの日から後悔していた。

やっぱり押さなければ良かったのかもしれない。


だけど、あんな笑顔を見ちゃったらね。


偶然窓の下を見た時に、車から降りる彼女の姿が見えた。遅刻したのかな、あの車は紛れもなく伊集院先生の車。

俺には見せた事のない笑顔で笑ってた。だから、俺はこれで良かったんだと…そういう事にした。

彼女が幸せならば、それでいいや。うまくいったみたいだしね。何があったかは分からないけれど、先生は辞めるみたいだ。実際、送り届けると車はどこかに行ったようだし。


こんなに純粋に好きになったのは初めてだった。女には困らない生活をしていた所為か、昔は自分から好きになる事さえしなかった。


寄って集る女達を適当に選んで遊ぶ、今思えば最低な野郎だった。そんな俺が変わったのは、彼女がいてくれた御陰だと思う。

こんなにも夢中になるだなんて、自分でも思わなかった。

(はぁーでも、きついなぁ…失恋って。)


初恋だから尚更か。
取りあえずもう、恋愛は要らない。

…もう少し、彼女との思い出に浸りたいからさ。

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