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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第4章 すれ違う想い


「上手くいった?彼とシたんだろ?」


笑顔でそういう彼。あたしが上手くいった事も喜んでいるような笑顔。夕森先生とまた会いたい、そんな風に見える。


「まぁ――俺様が教えたら当たり前だよな」


「、」



反論出来ない、今口を開いたら泣いちゃうかもしれないから。先生にはきっと泣いても意味が分からないと思う。


あたしはこんなに、泣きたいのに。先生はまず、対象だとも思ってくれてないはずだ。



そうだ。あたしは期待しても無意味なんだ―――、



「あの、今日は帰ります」


出来るだけ精一杯、何でも無いような感じで言ったハズなのに、声は裏返る。バレちゃう。

あたしは駆け足でドアに向かう。はやく逃げたい、先生に見られたくない、


「おい、待てよ」


あたしの腕は掴まれてしまった。
頬に涙が伝う。涙は止まる事がない。


夕森先生がいるのに・・・何でこんな事するんですか?あたしを期待させて楽しいですか?


「離して、先生には夕森先生が、い、る」


涙でくちゃくちゃになった顔も、声も聞かれたくないよ。彼女でもないあたしが、そもそも嫉妬する権利もないんだから。

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