
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第5章 体も心も奪われて
プルルルル・・・
あたしの携帯が鳴る。
【先生】の表記に、あたしの心臓は飛び跳ねる。
『俺、死ぬかも。家来て』
しぬ、
シヌ…
シヌ?
あたしは心臓が止まるかと思った。
先生が死ぬなんて、先生が死ぬなんて…。そんなの嫌だ。
あたしの前で笑っててよ。悪魔みたいな意地悪な顔でもいいから。
いなくなるなんて、嫌だ――――!!!!
「先輩、ちょっと急用出来ました!あの、どうしても行かないといけないんです」
あたしは気が付いたら走り出していた。
「梓っ!」
後ろから先輩の声がして、躊躇う。理性と本能がぶつかった。先輩に申し訳ない。
今から戻って謝れば、まだ間に合う。
・・・だけど、先生をほっとけない。
「・・・ってどこだよ」
そもそも家なんて知らないよ。向かうとか向かわないの問題じゃないよ。
