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雨の中の君へ。

第2章 仕事。

〜6年前〜

「痛っ…」

「大丈夫?サキちゃん。無理しなくていいんだよ?」

畑山が私の頭を撫でて、心配そうに私を見る。

高級ホテルのセミスイートの部屋、キングサイズのベッドに私と畑山はいた。

「だ…大丈夫ですっ…」

ズキズキする痛みと恥ずかしさ、そして緊張と共に私はこたえた。

「少しずつ入れるからね。痛いなら途中でやめるからね。でも、サキちゃんの中、すっごく気持ちいい。」

それが、嬉しかった。大好きで憧れていた人の腕の中にいる…。少しずつではあるが、痛みが快感に変わっていく…。

畑山は吸い付くような、絡みつくようなサキの肌にすっかり魅力されていた。でも、畑山にとって、可愛いおもちゃを手に入れただけのことだ。

いかに私が本気で畑山を愛したとしても、畑山には家庭があったし、他にも女は沢山いた。

けど、私は純粋に畑山を慕い、愛してしまったのだ。

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