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雨の中の君へ。

第5章 罪と罰。


「…あなた、畑山と寝た?」

私は答えずジッと光井先輩を見た。光井先輩はため息をつく。

「…私ね…」

私が畑山先生の担当をする前は、光井先輩が畑山先生の担当だった。


「私、畑山先生の愛人なの。」

そう言った先輩の顔は歪んで、涙が滲んでいる。


…先生に他に女の人がいるとは思ったけど…。

「もう10年になるわ。途中、怪しまれないよう担当を外れたのよ。先生、離婚すると約束してくれたの。」

…私には言わなかった。要求もしなかったけど…。

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