テキストサイズ

雨の中の君へ。

第6章 束縛。

「金谷、サキの家に行って数日分の荷物を取って来てあげなさい。サキ、このホテルに泊まっていいから、しばらく家に帰るのはやめにしなさい。」

金谷さんに家の鍵を渡した。ドキドキと心臓が高鳴る。

…トモヤは本当にこのことをバラすのだろうか。

先生がポンと私の頭に手を置く。

「さ、金谷が行ってくれてる間に私達は食事にしよう。」

目の前にメニューが開かれた。

「…先生…」



「さっきの返事は後日で良いよ。一応プロポーズだから。さ、何食べよう?ここは牡蠣が美味しいんだよ。」


照れ隠しなのか、子どもみたいに先生が笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ