雨の中の君へ。
第6章 束縛。
先生は部屋を別に取った。
私の返事を待つつもりなんだと思う。
…嬉しかった。
先生が、真っ直ぐ私に大丈夫だと、守るからと言ってくれた。
障害が全く無いわけではないけど、このまま先生と一緒になるのが幸せなんだろう。誰よりも私のことを理解してくれ、支えてくれる人。
ホテルの部屋の天井を見上げる。
タケル、どうしてるんだろう。
…会いたい。
たとえ血が繋がっているとしても、私はタケルが好きだという気持ちに変わりがなかった。それどころかより強くなっている気もする。トモヤが言う通り、「狂ってる」、んだと思う。
タケルが好きだ。
長いまつげ、長い指…。真っ黒な瞳。少し低い声、星のことを語る時の一番嬉しそうな顔。少し意地悪な、艶のある色っぽい表情。
…でも、タケルはどう思ってるんだろう。私が妹だと知って、私のことをどう思ったんだろう。
そのまま疲れて深い眠りについた。