雨の中の君へ。
第7章 月。
《一年後》
トモヤはストーカーまがいなことをしばらく繰り返していたけど、半年くらいすると現れなくなった。私に金谷さんや先生のお弟子さんがぴったりくっついてくれていたからだろう。会社を辞めて地元に帰ったと、同級生から風の噂で聞いた。
先生や金谷さん達には今後一生頭が上がらない。
そして先生は本当に本にしてしまった…。
サキに振られたんだから、稼がせてもらうくらい良いだろう?とのこと。
トモヤがバラす前に世に公開されてしまった。
…もちろん、これがノンフィクションだと分かる人は私達だけだろう。…光井先輩は分かるかも…な。
先生の初の恋愛物とあってこれまた世間が大騒ぎし、そして最高の売り上げを記録している。
「雨の中の君へ。」