雨の中の君へ。
第7章 月。
「ほんと事実は小説より奇なり。サキは地で行ってるよね。ラスト変えたら良かったかなー。」
先生がユヅキにご飯を食べさせながら、軽口を叩いている。
「もー冗談言ってないで早く仕事行ってください。そしてわざわざ寄らないでください。あと、お金勝手に振り込まないでください!」
先生は「雨の中の君へ」の印税を半分私の口座に毎月振り込んでくる。
「もーママは怖いでちゅねー。」
「先生!」
「だって原作者に印税分けるのは当たり前でしょう。サキが私と暮らせば何の問題もないんだよ。育休もうすぐ明けるんだろ?」
…会社は、私の妊娠、出産、育児に全面的に協力してもらった。前例がなかったので会社も大変だったみたいだけど。意外にも鬼百合編集長が盾になってくれた。そしてやっぱり影ながら支えてくれたのは先生。
新作をうちの会社から出版することを約束してくれたのだ。
もちろん、ここまで順調ではなかった。社内で私を悪く言う人は多くいたし、本当にいろんな噂を流された。
私も、正直産んで良いのかギリギリまで悩んだ。
産みなさいと言ってくれたのは先生。
産む時に側にいてくれたのも先生だ。
先生がユヅキにご飯を食べさせながら、軽口を叩いている。
「もー冗談言ってないで早く仕事行ってください。そしてわざわざ寄らないでください。あと、お金勝手に振り込まないでください!」
先生は「雨の中の君へ」の印税を半分私の口座に毎月振り込んでくる。
「もーママは怖いでちゅねー。」
「先生!」
「だって原作者に印税分けるのは当たり前でしょう。サキが私と暮らせば何の問題もないんだよ。育休もうすぐ明けるんだろ?」
…会社は、私の妊娠、出産、育児に全面的に協力してもらった。前例がなかったので会社も大変だったみたいだけど。意外にも鬼百合編集長が盾になってくれた。そしてやっぱり影ながら支えてくれたのは先生。
新作をうちの会社から出版することを約束してくれたのだ。
もちろん、ここまで順調ではなかった。社内で私を悪く言う人は多くいたし、本当にいろんな噂を流された。
私も、正直産んで良いのかギリギリまで悩んだ。
産みなさいと言ってくれたのは先生。
産む時に側にいてくれたのも先生だ。