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天使で悪魔なセラピスト

第2章 セラピスト



「すごい出血だ。立て続けに強いストレスを受けたせいだね。…」


滑らかな声でそう言って、彼はもう片方の手で静かにユナの鼻の付け根を押さえ、


「大丈夫。ここにいればもう安心だから。」


と、囁くように言い、綺麗な微笑をたたえた。


そのあまりにも美しく優しい笑顔に、ホッとしたのと同時、ユナは泣きたくなった。


「う…う」


「ほら、泣かないで。泣いたら鼻腔が充血しちゃうだろ?いい子だから。」


小さな子を諭すように言いながら、彼は眉根を寄せて困り笑顔を向けた。




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