天使で悪魔なセラピスト
第3章 最初の施術
うそ、…私今…!?
「目を開けてごらん?」
「…!」
ユナがそっと瞼を上げると、口元に緩やかな弧を描いた蓮が居た。
「分かる?今キミにキスした。」
「…ぇ」
火がついたように顔中がカッとした。
「信じられないって顔だ。…フ。…ホント可愛いね、キミは。」
蓮はくしゃりと笑い、人差し指でユナの鼻先をちょんとつついた。
その指はするんと滑り降りて、ユナの薔薇の蕾のように可憐な唇に一瞬止まってから、顎の稜線に沿ってまっすぐに下へ下へと降りていく。
ユナはまだ魔法にかかったように動けなくて、目を見開いたまま蓮の甘やかな顔を見つめ続けた。