天使で悪魔なセラピスト
第5章 始 ま り
蓮が琥珀色のその瞳を鋭くさせ、注いだ扉の影からゆらりと長身の男が現れた。
驚いたことにその男は、髪と瞳の色が僅かに暗い事を覗き、顔立ちも背格好も蓮と瓜二つだ。
ニヤリと口角を引き上げながら男は、
「何だ。バレてたか。」
と答えた。
「診察室には勝手に入ってくるなといつも言ってるだろ、仁。」
「わりぃ。あんまり可愛い喘ぎ声がしてきたからつい覗きたくなっちまって。」
仁と呼ばれた男は無遠慮にベッドに歩み寄り、ぐったりと眠りに落ちているユナを覗きこんだ。
「へーえ。近くでみるとこれはまた。まるで穢れなき天使だな。…あんたが手にかけたくなるのもわかるよ」
「静かにしろ。彼女が起きちまうだろう。」
蓮は鬱陶しそうに眉をしかめながら、仁の襟首を背後から引っ張って離した。
「ククク。たまらないね、この天使ちゃんのとろけきった顔。自分の慰め方もろくに知らないような生娘を指だけで簡単にイかせちまうなんて、全く罪な男だね」
「黙れ!もう出てけよ、お前には関係ない。」
「おーこわ。分かったよ。天才セラピスト、斉木蓮センセイ。」
仁は不敵で狡猾な微笑をたたえ、ゆっくりと裏口へ向かって行った。
驚いたことにその男は、髪と瞳の色が僅かに暗い事を覗き、顔立ちも背格好も蓮と瓜二つだ。
ニヤリと口角を引き上げながら男は、
「何だ。バレてたか。」
と答えた。
「診察室には勝手に入ってくるなといつも言ってるだろ、仁。」
「わりぃ。あんまり可愛い喘ぎ声がしてきたからつい覗きたくなっちまって。」
仁と呼ばれた男は無遠慮にベッドに歩み寄り、ぐったりと眠りに落ちているユナを覗きこんだ。
「へーえ。近くでみるとこれはまた。まるで穢れなき天使だな。…あんたが手にかけたくなるのもわかるよ」
「静かにしろ。彼女が起きちまうだろう。」
蓮は鬱陶しそうに眉をしかめながら、仁の襟首を背後から引っ張って離した。
「ククク。たまらないね、この天使ちゃんのとろけきった顔。自分の慰め方もろくに知らないような生娘を指だけで簡単にイかせちまうなんて、全く罪な男だね」
「黙れ!もう出てけよ、お前には関係ない。」
「おーこわ。分かったよ。天才セラピスト、斉木蓮センセイ。」
仁は不敵で狡猾な微笑をたたえ、ゆっくりと裏口へ向かって行った。