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天使で悪魔なセラピスト

第6章 ユナの恋心

* * *


ひとりベッドに潜りこんだまま、ユナはこぼれる涙を止めることができなかった。


もう、治療の必要はないって言われた時。
もう、永遠に会えない、って言われたみたいだった。




悲しくて。


胸が苦しくて、痛くて。


そんなの嫌って、大声で叫びたかった。


でも、…そうだよね。


最初から先生にとって私は、ただ偶然転がり込んできた、ただの臆病な女の子。


それだけなんだ。


それ以上でも、以下でもなかったんだ。


ユナはブランケットを鼻まで引き上げ、はあ、と息を吐いた。


ため息と一緒にまた熱い涙が頬を伝った。






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