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アパートから出た胤罫はアパートの影から様子を窺う。
サキエルの苦しそうな声が聞こえる。
「・・人間に近く作られているので、痛覚もあるんです。」
厄介な機能をつけてくれたもんだ、と胤罫は思った。
サキエルの左腕には風穴が開いていた。
香織はサキエルの腕を見ながら、「どうしよう。これじゃ逃げられないよ。」
と心配そうな声で言った。
サキエルはそんな香織を見て、微笑む。
「私が、おとりになります。相手が銃を武器にするなら、私の武器が相性がいいです。それに、私は機械です。少しのダメージなら耐えられます。」
サキエルは胤罫と香織を見て、「ご主人様、あなたは香織さんを連れてどこか遠くに逃げてください！でも、決してやましい所に連れ込んで変な事しちゃダメですよ。」
胤罫は行くな！と叫んだが、サキエルは笑顔で、「行ってきます。」と言った。
胤罫はサキエルを止めようとするが、サキエルは走って行ってしまった。
胤罫と香織はしばらく待った後、さっそく行動を開始した。