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EROSMAN

第9章 魔女と呼ばれた少女

サキエルは、表情は変えていないものの、内心は恐怖でいっぱいだった。
人間相手で、ここまで自分に恐怖を与えられるのは、後にも先にも多分コイツだけだと、サキエルは思う。
サキエルは再び口を開く。
「・・アナタには、自分の意思がないの?いつも命令されて、それに従っているだけ、アナタはアナタなりの生き方をしないの?自由に生きたいと思わないの?」
それは、サキエルの心からの叫び。かつて自分も自由を奪われていた者の叫び。
しかし、殺し屋はサングラスを外し、ため息をついた。そして、
「自分の意思そんなもん、殺したい、だけだ。」
次の瞬間、ドンという音と共に弾が飛んでくる。
サキエルはそれを間一髪で避ける。
サキエルは相手は銃しか使ってこないと思い、ゲイルのふところまで一気に近づこうとする。
しかし、次の弾が放たれた。
「な・・・」
サキエルは右足に弾をもろに受ける。
サキエルが驚愕したのも無理はない。
何故なら相手はスナイパーライフルを使っているからだ。
スナイパーライフルは装填するのに、最大で10秒以上はかかる。それがどれだけ使い込んでいる人でもだ。
可能性としては、
「もしかして、フルオートライフル?」
サキエルは弱々しく答える。
しかし、ゲイルは無言でサキエルの左足を撃つ。
「ひ・・・あァァァァァァ」
サキエルは両足を押さえながら悶絶する。
するといつのまにか近くにいたゲイルが実につまらなそうに、こういった。
「・・・フルオート、そんなつまらんもの俺が使うと思うか?」
そして、スナイパーライフルを装填し始めた・・かと思いきや、終わった。
「ごめんな、俺は化けモン何だよ。化けモン並みに殺しの道具を使いこなせる。」
そして、スナイパーライフルの銃口をサキエルの頭に押し当て、「まあ、恨みはないが・・邪魔者は消えてもらう。」
ドンという銃声。そして、倒れる身体。
殺し屋は、最初の目標を殺すため、その場を去る。
「・・浅かったな。」
それだけ言い残し、殺し屋は屋上から消え去った。

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