テキストサイズ

EROSMAN

第9章 魔女と呼ばれた少女

「くそ、痛ええええ!」
胤罫は香織を解放し、その場で転がる。
「大丈夫?」
香織は心配そうに見てくる。
だが、安心している暇などない。
上空にはまだヘリがいる。
ミサイルはおそらくまだ撃てるハズ。
胤罫はここまでか・・。
と思った時だった。
急にヘリが爆発を起こし、墜落を始めたのだ。
一方ヘリ内
「ちょっと、どうゆうことぉ!何か壊れちゃったじゃない!」
ゲイルは無表情のまま、「やっぱ、生きてたか。何か脳をうちぬいた感触がなかったんだよな。」
と一人納得する。
「何一人で納得してんだコラァ何とかしろ」
日百合は叫ぶ。
そしてゲイルは見た。ヘリの上部に何がいたのか。
そして、何故急に、ヘリが墜落を始めたのかも分かった。
すべての現況は・・・。
「サキエル。」
ゲイルはそう呟いた。
胤罫達サイド。
「さ、サキエル!無事だったのか!」
今胤罫達の前には身体のあちこちが風穴だらけのサキエルがいた。
「おい、大丈夫なのか?」
胤罫は心配そうにそう答える。
サキエルはコクリと頷く。「私は平気です。ご主人様達こそ大丈夫ですか?」
と逆に心配される。
「私は平気。」と香織。
「俺はちと厳しいかも・・。また入院か、こりゃあ。」
と胤罫は笑う。
ヘリは胤罫達の前に墜落した。
「・・あいつらも終わり・・だな。」
胤罫はそう呟く。
が、その時ドンという音がなり、香織の身体が揺らいだ。そして、力なく倒れる香織。
「おい!香織、香織返事しろぉ!香織ィィィィィィィ!」香織の瞳の光が・・消えた。
「あああああああ!」
胤罫は叫ぶ。
「くそったれ!守れなかったあああ!」
胤罫は地面を殴る。何度も何度も。
「ちょいギリだったな。まさかこの俺が本気で死にそうになるたあ。」
燃え盛るヘリから出てきたのは、ゲイル。
「いたあいマジで死んじゃう!あれえ、魔女ちゃん死んでるじゃん。まあいいや。もう脳みそなんかいらないや。
死んでザまあよ。あはははは!」
日百合は高らかに笑う。
「くそ、てめえらか!香織を殺したのは!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ