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EROSMAN

第9章 魔女と呼ばれた少女

サキエルはそんな幻骸を見て、「・・家族を失う悲しみは、私にも分かります。アナタが!私の親を殺した!だから、私にもその悲しみは分かる!でもアナタはどんな形でも、娘に会えたじゃないですか!私は・・もう帰ってこないんですよ!」
サキエルはずっと心にしまっていた思いを復讐者にぶちまける。
「返してよ!私のお爺ちゃんを、返して!」
サキエルは返して・・・。と弱々しく、幻骸のズボンを引っ張る。
幻骸は、「すまなかった・・。」
と前方に歩いていく。
「俺は・・もう長くない。しかも、俺は数々の人を殺してきた。許される存在ではない。
ケジメはつける。
そう言って、幻骸は歩いていく。
サキエルは、幻骸を見て「何・・をするつもりですか?」
幻骸は黙って歩いていくと、止まり、
「ケジメをつける。」
といった。
幻骸はポケットから手榴弾を取り出す。
「待ってください!アナタが死んだら、あの子は、香織さんはどうするんですか!」
幻骸は微笑し、「すまない。俺はもう限界なんだ。意識を失いそうなんだよ。
本当に、すまなかった。」
幻骸はポケットから手榴弾を取り出し、右手に持つ。
「勝手な願いなのは分かってる。だけど・・香織をよろしく頼む。」
サキエルは叫ぶが、幻骸はピンを外し、
「じゃあな・・。」
その言葉を言った瞬間、爆発が起こった。

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