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胤罫サイド
爆発が起こった。しかし、胤罫はそちらには目もくれず、真っ正面をただ凝視する。
「・・香織？生きてたんだ・・・。」
言った直後、車が飛んできた。本当に車が宙に浮いて飛んできた。
車は胤罫のすぐ横を飛んでいく。
「・・やっぱり、あの女を殺したのは、香織か・・!」
香織はうつむいたまま何も言わない。
「香織！何とか言えよ！」
しかし香織は喋らない。
「ご主人様!」
と、横からボロボロになったサキエルが現れた。
「・・サキエル！あれは一体？何で香織は生きているんだ！」
胤罫は香織を指差し言う。
「・・あの子は、香織さんは、先ほどまで眠っていただけです。あの男は、香織さんの父親でした。香織さんは生まれたばかりの頃は、脳死状態だったらしいです。しかし、ある組織がやってきて、香織さんの脳を移植する代わりに、あの男、幻骸がドリーム・キスに入るように取り引きをしたんです。幻骸は悲しんでいました。そして、幻骸はこの香織さんを狙う作戦で香織さんと一緒に逃亡するつもりだったらしいです。しかし、私がそれを邪魔してしまった。私が幻骸を半殺しにしてしまった。それで幻骸は長くはもたないと言い、自ら命をたちました。
サキエルは落ち込む。が、今は・・。
「一気に説明されたからまだよく分からねーが、取りあえず、香織はその脳移植で、あんな変な力をもっちまったんだよな？なら・・。」
胤罫は身体を引きずるように歩き出す。
「俺が普通の女の子に戻してやる！」
胤罫はそれだけいい。香織に向かっていく。